はじめに

住環境の向上、町の景観のために緑の樹木重要です。特に高い樹木は大気の浄化夏のヒートアイランドを防ぎ自然の冷房作用による省エネ効果温暖化予防にも大切です。しかしながらこれらの樹木の落葉は、雨どいを詰まらせる原因となってしまうことも事実です。対策として街路樹や庭木の強い剪定はなはだしきは伐採等が行われることがあります。この背景には社会の高齢化に伴うメンテナンス及び補修工事の困難性があります。

特に、雨樋に関わる作業は高所作業で危険が伴い、高齢化と共に今後専門職も不足すると考えられます。また雨どいは建物の軒先という過酷な条件下で劣化や故障し易く廃プラゴミとして環境負荷を増します。

当社ではこの問題を解決するとともに、資源の有効利用、エネルギーの節約、廃棄物の低減、周辺環境への配慮といった課題を解決し、次世代のために環境共生社会を建設するメンテナンスフリー雨どいを提案しています。

 

雨どいの現状

雨どいにも近年新しい製品が開発されている雨どいそのものが軒先を形造るデザインのものや、材質においてもプラスチックや銅製に加え、ステンレスやアルミ製のものが発売されています。しかしながら形や材質は変わっても、雨どいの構造は変わらないため、詰まりをはじめとする障害の数々は解決されないままです。

これら雨どいの問題については、設計者、建設業者においても認識はあるものの「雨どいのトラブルは仕方がない」とあきらめている。むしろユーザーサイドにおいて関心が高く

  1. 雨どいの掃除が大変
     ・高作業で危険
     ・加齢にしたがって掃除が困難
     ・社会の高齢化により専門職に作業依頼が困難になり高額化する)
  2. 雨水が雨どいからあふれるときは突発的でありまた雨中のため対応も困難である。
  3. 雨どいの故障による雨漏りにより、建物の耐久性が損なわれる。などと真剣に考えているようです。

次項に当社が見聞した、ユーザーによる雨どい問題解決のための工夫とその評価を記します。

ユーザーの工夫

  1. 独自にネット(金網など)を掛ける。 最も多い方法であるが、ネットに落葉が引っかかり、結局掃除が困難である。
  2. 市販の落葉よけを取り付る。 同様で取り付けないよりは掃除の回数が減らせる程度である。
  3. 独自に雨どい掃除道具を作る。 労力の割には効果が小さい 。
  4. 自作で雨どいの落葉を吹き飛ばすブロワー機械を作った作業が大変でほとんど使用不能。 最近ホームセンターで販売されていた。
  5. 植木に強い剪定をした。極端な例では伐採した(後悔)
  6. 雨どいを取り外した。雨水の跳ね返りで建物の耐久性を損なう。

1~4は、ユーザーの積極的な姿勢は評価できるが5・6は、雨どいの問題は解決するものの、別の大切なものを犠牲にし将来に悔いを残す方法です。

 

雨どいには、どうしてもメンテナンスが必要です

どんな製品でも問題を起こすものですが、雨どいの場合は始めからその構造と使用状況の中でトラブルを起こす性質を持っています。

考えてみればおかしな製品です(はじめから問題製品)。ハウスメーカーでも雨どいはメンテナンスが必要ですよ。あきらめて下さい。という対応です。しかし、雨どいのメンテナンスは高所作業のため危険です。時々新聞に雨どいの掃除で落ちて死亡した記事があります。新聞に載らない怪我の例も時々聞き大変多いものと思われます。

富山県小矢部市で、自宅の雨樋を修理中の男性(69歳)の転落死亡記事があります(平成16年6月4日 北日本新聞)。同じく、富山県富山市の板金業者(54歳)が屋根から転落死亡。同日高岡市においてアルバイト工員(57歳)女性が3メートルの梯子から転落死亡とあります(平成17年4月28日 北日本新聞)。

雨どいの設置される環境は様々です。落葉の沢山ある所、ほとんどない所、実際20年間トラブルなしの雨どいもあります。しかしそれは運が良いだけで、廻りに木が無い所でも雀が巣をして困っている家や、板金屋さんの話ではビニールが入っていた例もあるそうです。雨どいは、トラブルを起こす物と考えた方が良いと思います。

雨どいそのものは高価な物ではありませんが補修、取替え等その作業は高所のため危険と現場状況により足場等の費用が掛かりります。

 

雨どいは不要?あればトラブル。されど雨どい

落葉の多い所、山間、多雪地等の環境に於いては雨どいの保守整備は多いに問題となります。それをさけるため、雨どいを取り付けない場合もあります。雨どいそのものは高価なものではありませんが補修、取り付け作業には高所のため危険と現場状況により足場等の費用がかかります。

※雨どいを取り付けない場合の問題:雨どいのトラブルを全て解消出来ますが、しかし

  1. 雨水が落下してはねかえり、建物を汚くし又建物の土台部分の老朽化を早めます。それをさけるため、次の様な配慮が必要です。
    イ.落下地点を建物から遠ざけるための軒先を長くする。
    ロ.落下地点に排水路を設ける。
    ハ.落下地点が庭等の場合、はねかえり防止のため小砂利を敷き美観に配慮が必要。
  2. 建物の使い勝手が悪くなります。実際雨どいがないと雨音に悩まされたり1項の様な対策をしても降水時に、建物に近寄れません。これは案外大変なもので実際山間地の方で雨どいのトラブル対策として雨どいを取り外したが、やはり雨どいがないと困るので雨ドイヘルメットを再び取り付けた方があります。

 

“完全な雨どい”メンテナンスフリー雨どい

雨どいの根本的問題を解決し、メンテナンスフリーの実現をめざして当社が開発しました。

環境にやさしい製品です。
将来の高齢化社会対応製品です。
メンテナンスフリーで安全で安心な住宅を作ります。
安心して庭木やガーデニングを楽しむことができます。

雨どい防護カバー『雨ドイヘルメット』

独自のアイディアでどんな雨どいにも取り付け可能でネット状の落葉よけの欠点である落葉の引っ掛かりもなく雪にも強く、又太陽光をカットし雨どいの寿命を延ばすアルミ製板状カバー

雨ドイヘルメット

 

谷排水処理器『谷ドレーン・軒ドレーン』

屋根の谷部の集中する雨水を確実に雨どいに導水し落葉や雨にも強いステンレス製排水処理器

谷ドレーン・軒ドレーン

 

雨どいの修理について

雨どいの修理作業は、難しいものではありませんが、雨どいと受け金具の種類が多く、よく似た雨どいでもメーカーが違うと継ぎ手が合わなかったりします。よほど運が良くない限りホームセンターで材料を用意するのは困難です。雨どいを見てどのメーカーの雨どいの型式とサイズを判断するのは熟練した職人でなければ難しいでしょう。

欠陥住宅と住宅品質保証(参考)

(住宅新築を計画の方へ)
日本の住宅の平均寿命は、各国よりも、短いといわれています。
日本…28年、米国…45年、英国…75年

欠陥住宅とは、何を指すのでしょう?

常識的には住むのに不都合な部分、天井、床、壁、台所、風呂、便所、建具などを思い浮かべますが、法律では、新築住宅の基本構造部分について保証が義務づけられています。

  1. 構造耐力上主要な部分(基礎、柱、梁、床、屋根)
  2. 雨水の浸入を防止する部分(外壁、屋根の仕上げ、下地、開口部)について10年間の間に斑症

(欠陥)が認められると、施主は損害賠償請求が出来ます。「雨どい」は対象外です。

新築住宅とは

  1. 新築住宅はすべて対象。増築・改造住宅は含まない。
  2. 店舗・事務所・倉庫など非住宅は含まない。

新築住宅と中古住宅の境界

  1. 新築住宅とは、完成後1年未満でまだ人が住んだことがないもの。
  2. 中古住宅とは、完成後1年以上経過しているもの、完成後1年未満でも人が住んだことがあるもの。

施主の方からは全く不満足だと思いますが、法律では最小限しか保証義務づけしていません。すなわち、法的欠陥住宅以外のトラブルは施工者との話し合い(民事)で行わなければなりません。このため良心的な工務店を選ぶ事は大変重要です(ほとんどの工務店は、良心的です)。

法律に関係なく良質の住宅を長持ちさせる事は、社会資産を充実させ将来の環境問題や町の景観など住環境のために重要です。

住宅は、住んでいる人の保守管理が必要です。これは、持ち主の責任です。あたりまえの事ですが住人の方が危険で保守管理が困難な雨どいは、法律の対象外になっています。このため工務店、ハウスメーカー(大手ハウスメーカーも含めて)設計者は外観に配慮されていますが、雨どい保守管理について無関心です。しかし、頻繁にトラブルを起こす雨どいの保守管理を施主に期待するのは酷です(雨どいの故障は、住宅の寿命を短めます)。現実問題としてこの危険な作業を施主の負担にすることは、問題です。

私達の提案は「安全・安心かつ快適」な住まい造りのため新築、増改築に安心住宅のメンテナンスフリー雨どいを取付ける事をお薦めします。

これは、あくまでも参考です。法律は、変わります。

 

おわりに

緑の環境と樹木は次世代に継承すべき大切な財産です。 同じく大切な財産である建物の維持保全、 また資源の有効利用、エネルギーの節約、廃棄物の 低減、周辺環境への配慮といった課題は、落ち葉によ雨どいのトラブルのため建物と環境との重大な問題となっています。 

この解決にメンテナンスフリー雨どい『雨ドイヘルメット』・『谷ドレーン・軒ドレーン』は大いに貢献できると考えています。

TOP